No.62 初詣はいつから広まったのか
江戸時代までは、氏神の社にこもる年籠りや、縁起のよい方角の社寺に参る恵方参りが中心だった。明治に鉄道が通ると郊外の有名な社寺への初詣が宣伝され、広まっていった。
本文と出典
正月に神社やお寺へお参りする初詣は、昔からの習わしのように思われていますが、いまの形が広まったのは明治以降のことです。
【江戸時代までの正月のお参り】
江戸時代までは、大みそかの夜から元日の朝にかけて、家の主が氏神の社にこもって新年を迎える「年籠り(としごもり)」が行われていました。
また、その年の縁起のよい方角(恵方)にある社寺にお参りする「恵方参り」も広く行われていました。
どちらも、近くの社寺や方角で行き先が決まるお参りでした。
【鉄道と初詣】
明治になって鉄道が通ると、方角に関係なく、郊外の有名な社寺へ正月にお参りする人が増えました。
「初詣」ということばも、このころから新聞などで使われるようになったとされます。
鉄道会社は正月の乗客を増やそうと、初詣を盛んに宣伝しました。
こうした鉄道と初詣の結びつきは、歴史研究者の平山昇らによって明らかにされています。
【国民の行事へ】
大正から昭和にかけて、初詣ということばは新聞や雑誌に定着し、国民の正月の行事として広まっていきました。
【参考にした資料】
『神社で柏手を打つな』(島田裕巳)、『神社に秘められた日本史の謎』(新谷尚紀)、『総図解 日本の神社』(渋谷申博)
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