No.14 式内社とは何か、延喜式神名帳と古代の社格
式内社は、平安時代の『延喜式』神名帳に載る2,861社。朝廷から幣帛を受ける官社の名簿で、官幣社と国幣社、大社と小社に分けられ、特に重い神社は名神大社とされた。
本文と出典
式内社(しきないしゃ)は、平安時代にまとめられた『延喜式』の神名帳に載っている神社です。
千年以上前に国が認めていた神社であることから、古くからの由緒を示すものとして、いまも神社の案内によく書かれています。
【延喜式と神名帳】
『延喜式』は、律令を実際に動かすための細かな決まりを集めた本です。
延喜5年(905年)に作り始め、延長5年(927年)に完成し、康保4年(967年)から使われました。
全50巻のうち、巻九と巻十が全国の神社の名簿で、これを「神名帳(じんみょうちょう)」と呼びます。
ここに載っている神社を式内社、当時あったのに載っていない神社を式外社といいます。
【官社と神祇官】
神名帳に載っているのは「官社」、つまり朝廷から幣帛(へいはく、神へのお供え)を受ける神社です。
朝廷で神のまつりを受け持った役所が神祇官(じんぎかん)です。
毎年2月の祈年祭には、各地の神社の神職を都に集めて幣帛を分け与えました。
官社はのちに二つに分けられました。
神祇官から直接幣帛を受ける官幣社と、国の役人である国司から受ける国幣社です。
この区別ができたのは延暦17年(798年)からです。
【何社が載っているか】
神名帳には、全国2,861社、3,132座が載っています。
座は、まつられている神の数です。
一つの神社に何柱もの神がまつられていることがあるので、社の数より座の数が多くなります。
内訳は次のとおりです。
官幣大社 198社 304座
官幣小社 375社 433座
国幣大社 155社 188座
国幣小社 2,133社 2,207座
【名神大社】
大社の中でも、特に霊験があらたかとされた神をまつる神社は「名神大」と記され、名神大社と呼ばれます。
国に大きな災いがあったときや雨ごいのときに、朝廷が特別に幣帛を送るまつり(名神祭)の対象でした。
大神神社、住吉大社、鹿島神宮、香取神宮などがその例です。
【建前と実際】
朝廷が全国の神社を束ねる仕組みでしたが、9世紀には幣帛を受け取りに都へ来ない神職が目立つようになりました。
朝廷の祈りは、やがて都の近くの限られた神社(二十二社)に絞られていきます。
【式内社をいまの神社に当てはめる】
神名帳には神社の名前と所在の郡しか書かれていないため、どの神社がそれにあたるか分からないことがよくあります。
候補が二つ以上ある場合、それぞれを「論社」と呼びます。
このサイトの式内社の一覧は、論社をすべて含めているため、2,861社より多くなっています。
式内社の一覧 https://the-jinja.top/shakaku/shikinai
【参考にした資料】
『総図解 日本の神社』(渋谷申博)、『図解 神社入門』(渋谷申博)、『神道と神社の秘密』(歴史研究会)、『神社に秘められた日本史の謎』(新谷尚紀)、『神主さんが教えてくれる「おとなの神社旅」』(三浦利規、徳本昌大)
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