No.40 稲荷神とはどんな神か、なぜ狐なのか
稲荷神は穀物と食べ物の神で、伏見稲荷大社が総本宮。のちに商売や家の守り神にもなった。狐は神そのものではなく神の使いで、そうなった理由にはいくつかの説がある。
本文と出典
稲荷神(いなりしん)は、稲をはじめとする穀物と食べ物の神です。
京都の伏見稲荷大社が総本宮で、主な祭神は宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)です。
「うか」は食べ物を意味することばです。
伏見稲荷大社は、和銅4年(711年)に渡来系の秦氏の伊呂具(いろぐ)がまつったのが始まりと伝えられます。
【ご利益の広がり】
もとは田の神、農業の神でしたが、中世から江戸時代にかけて、商売繁盛、家の守り神(屋敷神)、ものづくりの神など、願いの幅が広がりました。
大名の屋敷から町人の家の庭まで、さまざまな場所でまつられるようになりました。
【狐は神の使い】
稲荷神社には狐の像がありますが、狐は稲荷神そのものではなく、神の使い(神使、眷属)です。
狐が神の使いとされた理由には、いくつかの説があります。
春に山から里へ下り、秋に山へ戻るという狐の動きが、田の神が春に里へ来て秋に山へ帰るという信仰と重なったという説。
稲を荒らすネズミを狐が捕ってくれるからという説。
食べ物の神を表す「御饌津神(みけつかみ)」の「けつ」が、狐を意味する古いことばに通じたからという説。
仏教の荼枳尼天(だきにてん)が狐に乗る姿で表され、稲荷神と一緒に信仰されたからという説。
どれか一つに決まっているわけではありません。
【参考にした資料】
『総図解 日本の神社』(渋谷申博)、『神道と神社の秘密』(歴史研究会)、『なぜ八幡神社が日本でいちばん多いのか』(島田裕巳)、『神社に秘められた日本史の謎』(新谷尚紀)、『神社の解剖図鑑』(米澤貴紀)、『図解 神社入門』(渋谷申博)
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